逮捕、勾留の生活保護受給者情報を通知へ 京都府警が京都市に 二重取り防止

生活保護を受給している容疑者を逮捕した際、勾留中の生活保護費の支給を止められるよう、京都府警は対象となる容疑者の情報について、京都市に通知する制度を導入する。勾留中は公費で食事などが提供されるため「保護費との二重取りになる」と指摘されていた。同様の制度の導入は大阪府警に続き全国で2例目。3月にも市と協定を結び、4月の開始を予定している。
8日開かれた市の情報公開・個人情報保護審議会で、制度の導入について了承された。府個人情報保護審議会も、1月27日に導入を認めていた。
生活保護費のうち食費や光熱費などの「生活扶助費」は、京都市の単身世帯で月約8万円。生活保護法は、受給者が保護を必要としなくなった際は速やかに停止し、その間に支払われた保護費の返還を定めている。府警によると、受給者が逮捕された場合、施設内で食事などが提供されることから、生活扶助費を必要としない状態と見なされるという。
一方、受給者が逮捕・勾留されたかを、市が把握する手段は限られているのが現状だ。受給者自らが市に申告する例はほとんどなく、報道や戸別訪問などに頼らざるを得ないが、限界がある。府警から市に情報が提供されれば適切に対応できるようになるが、府や市の個人情報保護条例に抵触するかを判断する必要があるため、審議会で検討が進んでいた。
新たな制度では、府警に逮捕されて勾留が決まった容疑者が、捜査の過程で生活保護を受給していると分かった場合、府警は氏名や生年月日、収容先などを市に通知する。市は受給者への面会などを通じ、生活保護費を一時停止するかどうかを判断する。
市の生活保護受給者は2018年度現在、月平均で4万3779人。総人口に占める受給者の割合は2・98%と、20政令市中5番目となっている。府警京都市警察部の担当者は「今回の制度の導入で、本当に保護を必要としている人を支援できるようになる」と期待を寄せる。市生活福祉課の担当者は「制度の適正化につながる。一時停止の判断は慎重に行っていきたい」と話した。【添島香苗】