【皇室のトリビア】#2
秋篠宮家の眞子さま(29)と小室圭さん(29)は「婚約内定」の関係にある。そして本人同士は強く結婚を望んでいる。父親である秋篠宮さまも結婚については正式に認めた。
となれば、小室さんはすでに皇室の“準”一員のようなもの。普通だったらメディアは皇室関係者には気配りをするものなのだが、今回ばかりはまったく遠慮なしだ。
例の「400万円借金問題」をきっかけに、小室さん母子を追いかけ回し、私生活や過去の言動を暴き、手を替え品を替え、バッシングを続けている。そうすれば売れるからなのだろう。
実は昭和時代も違う意味で似たことがあった。
かつて美智子妃殿下の誕生によって、皇室に大旋風が巻き起こった。美智子妃のことを書けば雑誌が売れるというわけで、マスコミはこぞってご一家を追いかけた。
そこで侍従職らは、必ず絵になる場所で写真を撮らせるから、追っかけるのはやめてほしいと交渉したのである。「情報操作」と言われかねない危ない橋をあえて渡ったのは、皇室に奉仕したいという人がいたからだろう。
だが、現在の天皇家を取り巻く人たちの多くは官僚出身のサラリーマンだ。秋篠宮さまから命令がなければ動かない。最近は優秀な官僚が来るようになったというが、それでも何年かすれば異動がある。他の省庁から来ている彼らは、宮内庁に異動することは主流から外れるものと思っているから、ここで失敗はしたくない。たとえおかしいと思っても、自ら火の粉をかぶるようなことに手を出さないはずである。
<眞子さまの婚約者をおとしめるような報道は、秋篠宮家の権威失墜にもなるから、事前に食い止めよう>――などという忖度は働かないのだ。
秋篠宮さまが命じなくても、秋篠宮家の将来、あるいは天皇家の行く末を考えて動こうとする人物がいなかったのはそのためだ。天皇家の悲劇といえるだろう。
おそらく眞子さまは、昭和の時代に小室さんと出会っていたらよかった――と悔いているかもしれないが、現代のこうした取り巻きたちの事なかれ状態が続く限り、おそらく今後も、同じようなことが起こるはずである。
ところで、一連の小室さん母子バッシング報道の中で気になることがある。1億5000万円問題だ。
仮に眞子さまが初志貫徹で小室さんと結婚となれば、皇室を離れることになる。その時、税金から一時金が支給される仕組みになっている。
16年前、都庁職員と結婚し、皇室を離脱した上皇の長女・黒田清子さんには1億5250万円が支給されているから、おそらく内親王である眞子さまにも同じくらいの金額が支給されると思われる。
「400万円借金」は個人のやりとり。だが、この1億5000万円は税金から支給されるとあって、マスコミの報道は「小室母子の狙いは一時金」といったものから、「眞子さまは一時金を辞退すべきだ」とまで騒々しい。しかし、その多くはトンチンカン。一時金の意味や金額の多寡を正しく理解していないようだ。次回からそこを書いていきたい。=つづく