コロナ、震度6弱地震と二重苦も33日ぶり営業再開「復興すること、明かりをともすことが大切」福島・郡山市居酒屋店主

コロナ禍による1か月に及ぶ休業と震度6弱の地震という二重苦に見舞われながら、力強く一歩を刻んだ店がある。福島県郡山市の繁華街にある居酒屋「大町酒場いっぽ」は15日、営業を33日ぶりに再開した。店主の増子(ましこ)洋介さん(37)は「復興すること、明かりをともすことが何よりも大切だと思ったんです」と再出発の思いを語る。
福島県は1月13日から飲食店へ営業時間の短縮を要請。増子さんは短縮ではなく休業という苦渋の決断をせざるを得なかった。ようやくの再開を3日後に控えた夜、地震が起こった。「10年前を思い出す地震で『うわ~、こんなことってあるのかよ』というのが正直な思いでした」。備品は破損し、常連がキープするボトルも多数割れた。
絶望しても困難は解決しない。10年前の記憶を教訓にした。「なんとしても15日に開けようと思いました。10年前も同じですけど、店の明かりを見てホッとする方もいる」。1日で店の清掃を終え、酒を買い直し、準備を整えた。「フルメニューはできないですけど、最小限でも始めたいと」
営業再開を多くの客に伝えたいが、ジレンマもある。「来てくださいと告知して、密を作りにはいけない。来てくださってありがとうございます、という形から始めなきゃいけないのはつらいところですけど」。揺れる思いを抱えながらも「はじめの一歩」を踏み出した増子さんは「でも再開できたから気持ちは前向きですよ!」と明るく語っていた。(北野 新太)