鹿児島県の環境省奄美野生生物保護センターは15日、交通事故でけがをした天然記念物で絶滅危惧種・ケナガネズミの治療を終え、自然に返したと発表した。沖縄県で野生復帰の例はあるが、奄美大島では初めてという。
昨年12月20日午後9時頃、奄美市の国道58号で負傷したケナガネズミを住民が保護し、翌日、市内の動物病院に運び込んだ。前脚と鼻を骨折していたため、治療を続けていた。
その結果、前脚の一部にまひが残るものの、歩行や採食行動に支障がない程度まで回復。同センターは野生への復帰が可能と判断し、今月10日夕、発見場所周辺の森林に放したという。
ケナガネズミは、奄美大島と徳之島、沖縄島北部にのみ生息する体長約60センチの日本最大のネズミ。夜行性で樹上で生活するが、餌を求めて路上に出て、車にはねられることもある。事故死は昨年が4匹、一昨年が過去最多の14匹だった。
同センター・国立公園管理官の早瀬穂奈実さんは「どこを走っていても、生き物が出てくる可能性があるということを意識してほしい。特に夜間は注意をお願いしたい」と話した。