平城宮跡に最大級の地下水路 「太政官」関連施設か 奈良

平城宮跡(奈良市)の官庁街・東方官衙(かんが)地区で、同宮跡で確認された遺構としては最大級の地下水路(暗きょ)が見つかり、17日、奈良文化財研究所が発表した。巨石を組んだ堅ろうな造りで、2019年に近くで基壇(土台)が確認された律令制の最高官庁「太政官(だいじょうかん)」とみられる建物の関連施設と考えられる。【加藤佑輔】
20年3月から、「第2次大極殿院」(奈良時代後期)の東側に位置する「東方官衙地区」の一角約780平方メートルを調査していた。発見された地下水路は、全長約7メートル、幅約60センチ、高さ約30センチ。底石、側石、ふた石を組み合わせた頑丈な構造で、ふた石の大きさは幅約90センチ、長さ約50センチあった。調査を担当した大澤正吾研究員は「使用開始時期ははっきりしないが、奈良時代を通じて使われていた可能性がある」としている。
すぐ西側では、平城宮跡の基幹排水路の一つ(幅約6・2~7・3メートル、深さ約1・5メートル)が確認されており、見つかった地下水路はこの基幹排水路に取り付き、官庁街の雨水を集めて流す役割を果たしていたとみられる。
渡辺晃宏・奈良大教授(日本古代史)は「格式が高く立派な建物に見合う水路を周辺に整備したのだろう。この建物がそれだけ重要な役割を担っていたという証拠でもあり、19年に見つかった基壇が『太政官』のものと推定する上でも重要な成果だ」と話している。
現地説明会は実施しない。調査成果はユーチューブの「なぶんけんチャンネル」で公開予定。