ハムスターやウサギを「生き餌」として、ペットの爬虫類に食べさせる――。そんな動画を投稿していた男性が、動物愛護団体から刑事告発された。 朝日新聞デジタル(1月16日)によると、この動画には、生きたハムスターやウサギが、ヘビやトカゲなどのケージ内に放り込まれて、数分間かけて食べられる様子が映っていたという。 昨年10月ごろまでにすべて削除されてしまったが、複数の動画がYouTubeに投稿されて、再生数が1万回を超えたものもあったようだ。実際に、ハムスターが生き餌とされる動画を視聴したが、相当生々しいものだった。 削除に前後して、横浜市の動物愛護団体「日本動物虐待防止協会」が、投稿者の男性を動物愛護法違反(虐待)の疑いで刑事告発した。 こうした「生き餌」の動画は、YouTube上にあふれている。はたして、男性は罪に問われる可能性があるのだろうか。動物愛護管理法に関心の高い渋谷寛弁護士に聞いた。 ●「動物の所有者の責務」に反している ――法律上、生き餌はどう扱われているのか? 動物愛護法では、生き餌について、直接の規定はありません。ただし、餌のためという目的があっても、その持ち主は「動物の所有者」にあたります。動物愛護管理法には、次のように「動物の所有者」の責務が定められています。 「動物の所有者または占有者は、命あるものである動物の所有者または占有者として動物の愛護および管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、または保管することにより、動物の健康および安全を保持するように努めるとともに・・・(略)」(動物愛護管理法7条) したがって、今回の動画投稿者は、動物の所有者の責務に反すると思います。 また、終生飼養の責務にも違反しています。 「動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること(終生飼養)に努めなければならない」(同法7条4項) ――生き餌だったとしても「終生飼養」しないといけないの? 「所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で」に該当するかが問題となりそうです。 この一文は、食用の牛や豚、鶏を念頭に置いていると考えられます。人の食べ物とするために殺すことは許されることになります。 しかし、わざわざ生き餌でなくても、ほかの餌を与えることが可能ならば、ほかの動物の餌にする目的で飼養しているということは、この例外にあたらないという解釈がされるのではないでしょうか。 ●動物殺傷罪が成立する可能性もある
ハムスターやウサギを「生き餌」として、ペットの爬虫類に食べさせる――。そんな動画を投稿していた男性が、動物愛護団体から刑事告発された。
朝日新聞デジタル(1月16日)によると、この動画には、生きたハムスターやウサギが、ヘビやトカゲなどのケージ内に放り込まれて、数分間かけて食べられる様子が映っていたという。
昨年10月ごろまでにすべて削除されてしまったが、複数の動画がYouTubeに投稿されて、再生数が1万回を超えたものもあったようだ。実際に、ハムスターが生き餌とされる動画を視聴したが、相当生々しいものだった。
削除に前後して、横浜市の動物愛護団体「日本動物虐待防止協会」が、投稿者の男性を動物愛護法違反(虐待)の疑いで刑事告発した。
こうした「生き餌」の動画は、YouTube上にあふれている。はたして、男性は罪に問われる可能性があるのだろうか。動物愛護管理法に関心の高い渋谷寛弁護士に聞いた。
――法律上、生き餌はどう扱われているのか?
動物愛護法では、生き餌について、直接の規定はありません。ただし、餌のためという目的があっても、その持ち主は「動物の所有者」にあたります。動物愛護管理法には、次のように「動物の所有者」の責務が定められています。
「動物の所有者または占有者は、命あるものである動物の所有者または占有者として動物の愛護および管理に関する責任を十分に自覚して、その動物をその種類、習性等に応じて適正に飼養し、または保管することにより、動物の健康および安全を保持するように努めるとともに・・・(略)」(動物愛護管理法7条)
したがって、今回の動画投稿者は、動物の所有者の責務に反すると思います。
また、終生飼養の責務にも違反しています。
「動物の所有者は、その所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で、できる限り、当該動物がその命を終えるまで適切に飼養すること(終生飼養)に努めなければならない」(同法7条4項)
――生き餌だったとしても「終生飼養」しないといけないの?
「所有する動物の飼養又は保管の目的等を達する上で支障を及ぼさない範囲で」に該当するかが問題となりそうです。
この一文は、食用の牛や豚、鶏を念頭に置いていると考えられます。人の食べ物とするために殺すことは許されることになります。
しかし、わざわざ生き餌でなくても、ほかの餌を与えることが可能ならば、ほかの動物の餌にする目的で飼養しているということは、この例外にあたらないという解釈がされるのではないでしょうか。