「とかげの尻尾切りで終わりではない」…総務省接待問題で野党は追及の構え

菅首相の長男による総務省幹部4人の接待問題は19日、幹部2人の事実上の更迭に発展した。政府・与党は国会審議に影響が出ないよう事態の沈静化を急ぐ。野党は、首相の長男が衛星放送事業の認可に影響力を行使したとの疑念を深め、厳しく追及する構えだ。
幹部4人のうち、2人の更迭人事を先行させた理由について、武田総務相は周辺に「2人は放送法について国会で答弁する立場だ。空白を生じさせてはならない」と語った。大臣官房付に異動する秋本芳徳・情報流通行政局長と湯本博信・官房審議官は、NHK受信料引き下げの新制度を盛り込んだ放送法改正案を所管している。
この日の国会審議では、22日の調査結果公表前に更迭を急いだことに関し、総務省から明確な説明はなかった。2人はこれまで、首相の長男との会食中、衛星放送事業が「話題になった記憶はない」と答弁していたが、週刊文春(電子版)が会食時に録音したとされる音声を公開して矛盾が生じたため、更迭を先行させて国会答弁を回避させる計算も働いたとみられる。
22日に開かれる衆院予算委員会の集中審議には、谷脇康彦、吉田真人両総務審議官が出席する予定だ。官僚の国会答弁は局長級が行うのが慣例で、与党側はこれまで次官級の両氏の出席を拒んできたが、「これで区切りをつける」(自民党幹部)として野党側の求めに応じた。
ただ、事態の収拾につながるかは不透明だ。立憲民主党の辻元清美副代表は19日、2人の更迭について記者団に「とかげの尻尾切りみたいだ。更迭したから終わりというわけにはいかない」と強調した。