13日夜に発生し、最大震度6強を観測した福島県沖を震源とする地震から1週間が経過した。福島県のまとめ(20日午後2時時点)では、住宅被害は2810棟が報告され、被害状況の確認が続いている。再開の見通しが立たない店舗や公共施設もあり、復旧にはしばらく時間がかかりそうだ。
■ 負傷者計101人
県によると、住宅は21棟が全壊で、このうち鏡石町で20棟が報告された。福島市森合町では市営住宅(鉄筋コンクリート6階建て)1階の柱が破損し、住むのが危険な状態で全壊と判定した。半壊は32棟で、一部損壊は2757棟に上っている。公共施設でも315棟で被害が確認された。
負傷者は20市町村で計101人(重傷は5人)。地震による転倒や避難の際に負傷したほか、15~16日にかけての強風でけがをした人もいた。福島市と郡山市では現在も避難所を開設しており、3か所で計33人が避難を続けている。
■ 余震80回以上
気象庁は、地震発生から約1週間、最大震度6強程度の地震への注意を呼びかけていた。福島地方気象台によると、13日夜の地震を含め、県内では20日夕時点で震度1以上の地震を80回以上観測した。
■ 再開はいつに
14日から休館が続く郡山市麓山の市中央図書館では、本棚から落ちた書籍などの整理は終わったが、外壁の剥落や吹き抜けのガラス窓の破損など施設の傷みが深刻だ。10年前の震災では1年間の長期休館を余儀なくされており、今回も現時点では再開のめどが立っていない。
1981年開業の同館は約50万冊を収蔵し、年間延べ約15万6000人に貸し出す。発表会や講演会を開催できるホールも備え、地域の文化活動に欠かせない施設だ。地域館や分館などは利用可能だが、熊田賢一・副館長は「中央図書館における、市民のニーズは非常に高い。できるだけ早く再開したい」と話した。
「3・11」耐えた店にも被害
国見町藤田の文具店「武田紙店」は柱が傾いたり、入り口のシャッターがゆがんで開けられなかったりする被害が出て、14日から店での営業を停止している。築70年以上の木造2階建てで、3代目店主の武田功さん(56)は「東日本大震災時もギリギリ耐えた店なので、もう大丈夫と何となく油断していた」と振り返る。
店は終戦間もない頃に祖父が開業し、武田さんは3代目。高校卒業後、会社員としてしばらく働いた後、20年前から家業を継ぎ、昨年9月に母を亡くしてからは1人で切り盛りしていた。
新たに建て直す必要があると考えているが、見通しは立っていない。当面はネット販売などで営業を続けるという武田さんは、「コロナ禍で来店客は元々減っていた。『早く何とかしないと』と思っているが、とりあえず店にはご苦労さまと言いたい」と、疲れた表情で後片付けに追われていた。
災害便乗の悪質商法、県警が注意呼びかけ
県警や自治体は、被災者の復旧活動につけ込んだ悪質商法などへの注意を呼びかけている。
県警は、災害に便乗し、依頼していない家屋の修理をしたり、「他では売っていない」と飲食物や生活必需品を売ったりして高額な代金を請求する悪質業者や、多重債務者に高金利でお金を貸し付けるヤミ金融が横行しやすいと指摘している。
県内では、2810棟の住宅被害が確認されており、復旧支援のために県外の業者も次々と現場に入っている。震度6強を観測した相馬市や新地町では、復旧を急ぐあまり契約内容の確認などがおろそかにならないよう、防災メールなどで注意を呼びかけている。
現時点で被害の認知はないが、県警は「甘い誘いには乗らず、少しでもおかしいと思ったら気軽に警察署に相談してほしい」としている。