毎日新聞と社会調査研究センターは、東日本大震災の発生から11日で丸10年を迎える岩手、宮城、福島の被災3県を対象に、2月27日に世論調査を実施した。「復興五輪」を掲げた東京オリンピック・パラリンピックの開催が「復興の後押しにはならない」と答えた人が61%に達し、「後押しになる」の24%を大きく上回った。「わからない」は14%だった。大会組織委員会は3月25日に福島県内で聖火リレーをスタートさせるなど、東京五輪を復興のシンボルとする方針を打ち出してきたが、被災地でその効果が否定的に見られている現状が浮かんだ。
東京五輪は、東京都と日本オリンピック委員会が震災4カ月後に2020年大会の招致立候補を表明し、五輪を復興のシンボルとする「復興五輪」を旗印に招致活動を展開する方針が示された。開催地を決める13年の国際オリンピック委員会総会でも、安倍晋三首相(当時)らが前面に出してアピールした。
だが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い延期が決まると、安倍氏ら関係者は「人類が新型コロナに打ち勝った証しとして開催する」などと強調。被災地で実施される競技も、宮城のサッカー、福島の野球・ソフトボールなど一部試合にとどまり、開催理念や復興への効果を疑問視する声は根強くある。
世論調査の結果を3県別に見ると、「復興の後押しにはならない」とした割合が最も高かったのは宮城の64%。岩手が60%、福島は59%だった。「わからない」を含めると、各県とも7割以上が「後押しになる」とは考えていないことになる。
「コロナに打ち勝った証しと、震災から復興しつつある姿を世界に発信する」と強調する菅義偉政権の支持層でも、「後押しにはならない」とする人が44%に上っており、「後押しになる」を5ポイント上回っている。
3県の世論調査では、国民の被災地に対する関心が「薄れたと感じる」と答えた人が8割弱、被災地の復興が「期待したより遅れている」とする人が5割弱に上っていることも分かった。【竹内良和】