富士山頂付近の登山道でロシア国籍の女性が落石に当たって死亡した事故で、現場の上にある石積みから石が落ちた可能性もあることが27日、山梨県の調べで分かった。
石積みは山頂付近の神社の敷地内にあり、ご来光を見るために登山者が上がっていた可能性がある。石が崩れたかどうかは不明だが、県は同日、ロープを張り、「立ち入り禁止」の看板を設置した。
山頂付近では昨秋の台風の影響で崩落が起き、県が斜面をネットで覆い仮復旧した。県が調べたところ、崩落やネットの破れはなく、仮復旧部分からの落石ではないとみている。
一方、県警は自然落石のほか、登山者が誤って落石させた重過失致死などの疑いもあるとみて、当時現場付近にいた登山者たちから状況を聴いた。だが、今のところ女性に当たった石を特定できておらず、過失の認定も難しいことから原因究明は難航しそうだ。
事故は26日午前5時ごろ起き、夫と登山中だった東京都品川区北品川の主婦、アンナ・ドゥブロビナさん(29)の胸や頭に落石が当たり死亡した。