【独自】「偽作」判明なら返金の百貨店も…版画10作品は専門機関が鑑定へ

日本画の巨匠・平山郁夫らの絵画を基にした版画の偽作が大量に流通していた事件で、全国19の百貨店が、偽作の存在が今回判明した16作品の版画を過去に130点以上販売し、真作か偽作かを調べるため一部の回収を進めていることが読売新聞のまとめでわかった。このうち平山郁夫、東山

魁夷
( かいい ) 、片岡球子の10作品については、美術品の鑑定機関「東美鑑定評価機構」(東京)が8日から鑑定の受け付けを開始する。

この事件では先月、16作品の偽版画の流通が判明した。このうち平山ら3作家の10作品については、大阪府の50歳代の画商男性が奈良県の工房に制作させ、約8年前から販売していたことを業界団体の調査に認めた。警視庁が著作権法違反容疑で捜査している。
読売新聞は、全国の百貨店50社を対象に2月末時点での16作品の販売実績や今後の対応を尋ねた。
販売数が多かったのはそごう・西武で、2009~20年に7都県で計71点を各数十万~数百万円で販売。大阪の画商が偽作の販売を始めたとされる時期より前のものも含まれる。65点については購入者と連絡がつき、鑑定で偽作と判明すれば返金するという。
大丸松坂屋を運営するJ・フロントリテイリングは、数十点を販売していた。半数は既に顧客から回収し、鑑定に回す予定。16作品のほかにも偽作がある可能性を踏まえ、昨年12月中旬から版画全般の取り扱いを原則中止している。
三越伊勢丹や高島屋、東急、小田急、京王、東武の各百貨店も16作品の販売実績があった。このうち東武(4点)と小田急(1点)は「大阪の画商が販売元ではない」などとして真作と判断したが、顧客が希望すれば鑑定に出すという。

大阪府の近鉄、京阪、阪急阪神の各百貨店は、いずれも16作品の販売実績はあるとしながら、「詳細は調査中」などとした。偽作を販売した画商は地元の百貨店とも取引があったとされており、販売数は増える可能性がある。
名鉄百貨店(名古屋市)は17年11月以降、7点の取り扱いがあった。トキハ(大分市)は15~19年に平山郁夫らの7点を販売。一畑百貨店(松江市)は片岡球子の1点を販売していた。いずれも今後、鑑定に出す見通しという。