「幻の戦闘機」秋水のエンジン部品公開 横須賀美術館

第二次世界大戦末期に旧日本陸海軍が共同開発したロケット戦闘機「秋水」のエンジン部品が、横須賀美術館(神奈川県横須賀市鴨居)で8日から始まる「横須賀海軍航空隊と秋水」で公開される。【岩崎信道】
秋水は、独空軍のロケット戦闘機メッサーシュミットMe163がモデルで、日本本土上空に飛来する米爆撃機の迎撃の切り札として期待された。だが、試作機の試験飛行が失敗に終わり、実戦で飛ぶことはなかったため、幻の戦闘機といわれる。米軍が終戦後接収した機体やロケットエンジン、関連資料などの一部が米国の博物館に残るほか、製作を担った三菱重工に復元された機体が展示されているものの、残存する資料は多くない。
今回展示される部品は、横須賀市内に住む平田直俊さん(68)が所有するロケットエンジンの燃料噴射弁(長さ約7・5センチ、最大直径約4・5センチ)。平田さんの父で陸軍技術将校だった啓助さん(故人)が保管していたもので、遺品として残された写真数点も展示される。ロケット噴射実験場だった長野県松本市の明道工業学校(現松商学園高)での開発スタッフの集合写真など、開発時の様子をうかがわせる貴重な資料だ。
平田さんが、今回の展示に調整役として関わった秋水研究家、佐久間則夫さん(65)に資料を提供し、一般公開が実現した。秋水研究の第一人者、柴田一哉さんは「ロケットエンジン試験前後に撮られた写真の解像度が高く、松本実験場の秋水を解明するうえで歴史的発見。部品については材質の分析や内部構造の確認などが期待される」としている。
企画展「ヒコーキと美術」の関連展示で、4月11日まで。問い合わせは同美術館(046・845・1211)。