懸念されていた事態だ。千葉県内で新型コロナウイルスの変異株によるクラスター(感染者集団)が発生、高齢者による昼間のカラオケで感染が広がった。政府は21日の期限通りに首都圏4都県の緊急事態宣言を解除する意向だが、4人の知事の見解はバラバラで、政府に対して主導権を握れない状況だ。
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千葉県の森田健作知事は15日、県内で新たに17人が変異株に感染していたことを明らかにした。うち12人は地域の高齢者仲間などで、昼間のカラオケによるクラスターと認定された。歌うときにマスクをしていない人もいたという。
森田知事は宣言解除について「16日あたりどうなるのかみて判断していかなければならない」と賛否は保留。変異株感染も「もちろん影響する」との認識を示した。
埼玉県の大野元裕知事は「現状では解除を要請する段階にはない」と述べ、延長を要請する可能性も「当然あり得る」と付け加えた。
東京都の小池百合子知事は解除の是非に直接言及せず、都民向けに「意識をしながら行動してほしい」と述べた。
「解除の方向がいい」と明言したのが神奈川県の黒岩祐治知事。宣言について「効果が薄れてきており、延長しても(県民ら)皆さんの気持ちが続かない」と言及。「いったん解除し時短要請などの規制を段階的に緩和するときに来ている」と強調した。
近く知事協議を開くが、黒岩氏は「ワンボイスにするかは分からない」とまとまらない可能性まで示唆した。黒岩氏は今月初旬の再延長をめぐり、小池氏が事実と異なる説明で延長要請を取りまとめようとしたと暴露した経緯もある。
内閣官房がまとめた14日時点のコロナ感染「6指標」の分析のうち、1週間の新規感染者数を前週と比べた指標は、東京は1・10、埼玉は1・19で、宣言延長前の期限だった7日時点より悪化した。千葉は0・86、神奈川は0・93だった。
重症者用の病床使用率は東京、埼玉がステージ3相当。千葉、神奈川はこれを下回った。埼玉は7日時点よりも状況が厳しくなっている。
こうした「実績」の違いが発言内容にも反映されているようだ。