またも幼い命が失われた――。福岡県田川市で14日夕、子供3人を含む家族4人の遺体が乗用車内から見つかった。同市では2018年に起きた1歳児虐待死事件で有識者らの検証委員会が再発防止策を答申し、4月から組織再編に向け動き出す矢先だった。【荒木俊雄】
田川署によると、遺体の発見は14日午後4時ごろ。田川市伊加利の店舗駐車場にとめられていた車内で、近くの主婦(37)▽小学5年の長女(11)▽小学1年の長男(7)▽次女(2)――の母子4人がぐったりしていた。見つけた親族がそばにいた人を通じて通報したが、既に死亡していた。車内には親族と東京にいる夫に宛てた主婦の遺書2通があり、子育てや将来を悲観する内容だった。県警は無理心中を図ったとみて調べている。
田川市出身の主婦は結婚当初、東京に住んでいたが5、6年前に夫と長女を残し帰郷。長女は約2週間前に田川に遊びに来ていた。13日に主婦らが戻らないことを親族が不審に思い、14日夕に近くを探し、変わり果てた姿を見つけた。死因は急性一酸化炭素中毒。
市や県田川児童相談所(児相)によると、主婦は18年9月と12月に各1回、19年2月に2回、長男の顔にあざをつくるなどの虐待をしたとして通告されていた。18年12月には関係機関でつくる要保護児童対策地域協議会が2番目に重いB(中度)ランクの管理(見守り)対象にしていた。その後は虐待はなかったが20年11月、主婦が電話やメールで夫をののしるなど「面前DV」の可能性があるとし夫が警察に相談。田川署が主婦に注意し、児相に通告したという。
市教委によると、長男が12日に学校を休む際、父親が「熱が出たので休む」と学校に電話するなど、「連絡はいつも父親だった」(市教委)という。田川児相の管内では飯塚市でも2月、面前DVが指摘された3児死亡事件が起きている。中山秀樹所長は「事態を厳粛に受け止めているが、面前DVの継続的指導は非常に難しい」と話した。