西日本豪雨の国賠訴訟、真備住民「人災と確信」 国は争う姿勢

2018年7月の西日本豪雨で甚大な浸水被害が出たのは河川やダムの管理が不十分だったためだとして、岡山県倉敷市真備町地区の住民37人が国と県、市、中国電力に計約7億3300万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が17日、岡山地裁(田中俊行裁判長)であった。被告側はいずれも請求棄却を求めた。原告側は意見陳述で「二度とこんなことが起こらないように公正な判断を」と主張した。次回の口頭弁論は7月7日に行われる。
この日の弁論では、原告側弁護団がパワーポイントを使用して被害の概要や損害の内訳を説明。その後、原告の山江克正さん(64)ら住民2人が意見陳述した。
山江さんは、住宅ローンの支払いを終えた後に豪雨で自宅が全壊し、みなし仮設住宅などで1年2カ月間の避難生活を経て、自宅を再建。現在も新たなローン返済を続けている。「生活再建のための出費により、経済的にも精神的にも相当な被害を受けた。水害が予測不可能なものだったら納得するしかないが、国などは対策の必要性を認識しながら放置してきた。天災ではなく人災だと確信している」と訴えた。
訴状によると、住民側は国が過去の水害から高梁川と小田川の合流地点の付け替え工事の必要性を認識しながら実施していなかったほか、上流にある新成羽ダム(高梁市)の事前放流を指示しなかったとし、ダムを管理する中国電力も放流が不十分だったなどと主張している。【松室花実、岩本一希】