参院選を巡る大規模買収事件で、公職選挙法違反(買収など)に問われた衆院議員の河井克行・元法相(58)は23日午前、東京地裁の法廷で突如、議員辞職を表明した。地元政治家らを買収したとする起訴事実の大半についても無罪主張を一転させた。「妻の当選を得たいという気持ちが全くなかったとは言えない」。克行被告はそう述べ、妻・案里元被告(47)の存在を方向転換の理由に挙げた。
今月3日に保釈が認められた克行被告はこの日午前9時20分過ぎ、弁護団とともに地裁に姿を現した。紺色のスーツの襟元には議員バッジが付けられていた。
検察側は昨年8月に始まった公判で、克行被告が2019年3~8月、広島選挙区で案里元被告を当選させるため、地元政治家ら100人に票の取りまとめなどを依頼する報酬として計約2900万円の現金を提供したと主張。これに対して被告側は、現金の提供は認めつつ、「買収目的ではなかった」として徹底抗戦の意向を示した。
しかし、100人のうち94人は「票の取りまとめなどの報酬だと思った」と証言するなどした。案里元被告を懲役1年4月、執行猶予5年とした1月の地裁判決(2月に確定)も、広島県議ら5人に対する計170万円分について、「いずれも克行被告が買収を主導した」と認定。克行被告は追い込まれた形となっていた。
被告人質問は4月9日まで9期日が設定されている。100人に渡った計約2900万円の「原資」を克行被告がどう説明するのかも注目されているが、克行被告の辞意表明などにより、今後の展開は不透明だ。