「選挙への信頼を損ねてしまい、弁解の余地は全くありません」。東京地裁で23日に行われた初の被告人質問で、衆院議員の元法相、河井克行被告(58)は一転して選挙買収を認め、反省の弁を口にした。懇意の神父に電話で諭されたことが翻意の決め手になったと話し、言葉に詰まったり、声を震わせたりする場面もあった。
弁護側による被告人質問が始まったのは午前10時半すぎ。紺色のスーツに議員バッジを着けた克行被告は、弁護側、検察側、裁判官に向かってそれぞれ一礼した後、証言台の前に着席した。「裁判長、おはようございます」とあいさつした後、起訴内容について現在の考えを話し始めた。
弁護人から地元議員らへの現金提供について問われると、「一人一人に固有の理由や趣旨、事情があり、あからさまな投票依頼を行ったことはない。その上で…」と数秒沈黙。「全てが買収目的のみであったのでは断じてないが、全体的に選挙買収は争わない」と述べ、議員辞職する考えも明らかにした。
「支援者や妻の当選に泥を塗るのではないかと思い、潔白を主張してきた」と説明した克行被告。しかし、家族同然だったという後援会関係者の証人尋問が続き、「拘置所で毎日(買収の意図がなかったか)自問自答していた」と振り返り、長年親しくしてきた神父から「自分の内面と誠実に向き合ってください」と電話で諭されて選挙買収を認める決意を固めたと述べた。
[時事通信社]