2013年から15年にかけての生活保護基準の引き下げは生存権を保障した憲法に違反しているなどとして、北海道の受給者ら約130人が道と札幌など5市に減額処分の取り消しを求めた訴訟の判決が29日、札幌地裁であった。武部知子裁判長は原告側の請求を棄却した。
原告弁護団によると、生活保護の引き下げをめぐっては全国29地裁などで争われている。判決は3例目で、受給者らの訴えを退けたのは2例目。大阪地裁は処分を違法として取り消しており、判断が分かれている。
国はデフレによる物価下落などを考慮し、13年から3回に分け、食費などに充てる生活扶助費を平均6.5%、最大10%引き下げた。年間削減額は670億円に上り、原告側は、健康で文化的な最低限度の生活を保障する憲法25条などに違反すると主張していた。
武部裁判長は「生活扶助基準の改定で、厚生労働相に裁量権の逸脱があったとは言えない」と判断。その上で、原告らの生活が「社会的、文化的面から見ても、最低限度の水準を下回っていると認められない」と結論付けた。
[時事通信社]