岸信夫防衛相率いる防衛省が、中国に毅然(きぜん)とした姿勢を示した。日中防衛当局者によるテレビ会議で、中国が2月に施行した海警法に「強い懸念」を伝え、東・南シナ海での緊張を高める行為を「断じて受け入れられない」との立場を伝えたのだ。中国の軍事的覇権拡大については、菅義偉首相とジョー・バイデン大統領が4月上旬、ワシントンで行う日米首脳会談でも最重要課題となる。日米韓3カ国による外相会合も4月下旬、米国での開催で調整されている。菅政権に対しては、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた覚悟と行動が注目される。 ◇ 自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を回避するための「海空連絡メカニズム」に基づく防衛当局間の年次会合が29日、テレビ会議形式で行われた。 日本側からは大和太郎防衛政策局次長ら、中国側からは宋延超国防部国際軍事協力弁公室副主任らが出席した。 防衛省によると、日本側は、わが国固有の領土である沖縄県・尖閣諸島の周辺海空域を含む東シナ海情勢について日本の立場を伝え、力を背景とした「一方的な現状変更の試み」への強い懸念を示し、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対すると伝達した。 さらに、中国が海警局に外国船舶への武器使用を認めた「海警法」が2月に施行されたことに「強い懸念」を伝え、同法制定により、日本を含む関係国の権益が損なわれ、東・南シナ海において緊張を高めることは、「断じて受け入れられない」との立場を伝えたという。 岸防衛相は昨年12月、中国の魏鳳和国務委員兼国防相とのテレビ会議形式の会談で、「尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も疑いのない日本の領土である。日本が有効に支配しており、解決すべき領有権の問題は存在しない」「(中国軍や中国船が)力を背景に一方的に現状変更を試みるのは国際社会の強い懸念材料になっている」などと強い警告を発した。 今回の年次会合で、日本側が伝達した「強い懸念」は、岸氏の信念に沿ったものといえそうだ。祖父に日米安保条約改定を成し遂げた岸信介元首相、兄に日米同盟を強化した安倍晋三前首相を持つ大物防衛相だけある。 中国の習近平国家主席は、今世紀半ばまでに中国軍を「世界一流の軍隊」にすると公言している。今月の全国人民代表大会(全人代)では、前年比6・8%増となる1兆3553億元(約22兆6200億円)もの国防予算案が提出され、インド太平洋地域での覇権拡大を加速させている。
岸信夫防衛相率いる防衛省が、中国に毅然(きぜん)とした姿勢を示した。日中防衛当局者によるテレビ会議で、中国が2月に施行した海警法に「強い懸念」を伝え、東・南シナ海での緊張を高める行為を「断じて受け入れられない」との立場を伝えたのだ。中国の軍事的覇権拡大については、菅義偉首相とジョー・バイデン大統領が4月上旬、ワシントンで行う日米首脳会談でも最重要課題となる。日米韓3カ国による外相会合も4月下旬、米国での開催で調整されている。菅政権に対しては、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた覚悟と行動が注目される。
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自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を回避するための「海空連絡メカニズム」に基づく防衛当局間の年次会合が29日、テレビ会議形式で行われた。
日本側からは大和太郎防衛政策局次長ら、中国側からは宋延超国防部国際軍事協力弁公室副主任らが出席した。
防衛省によると、日本側は、わが国固有の領土である沖縄県・尖閣諸島の周辺海空域を含む東シナ海情勢について日本の立場を伝え、力を背景とした「一方的な現状変更の試み」への強い懸念を示し、緊張を高めるいかなる行為にも強く反対すると伝達した。
さらに、中国が海警局に外国船舶への武器使用を認めた「海警法」が2月に施行されたことに「強い懸念」を伝え、同法制定により、日本を含む関係国の権益が損なわれ、東・南シナ海において緊張を高めることは、「断じて受け入れられない」との立場を伝えたという。
岸防衛相は昨年12月、中国の魏鳳和国務委員兼国防相とのテレビ会議形式の会談で、「尖閣諸島は、歴史的にも国際法上も疑いのない日本の領土である。日本が有効に支配しており、解決すべき領有権の問題は存在しない」「(中国軍や中国船が)力を背景に一方的に現状変更を試みるのは国際社会の強い懸念材料になっている」などと強い警告を発した。
今回の年次会合で、日本側が伝達した「強い懸念」は、岸氏の信念に沿ったものといえそうだ。祖父に日米安保条約改定を成し遂げた岸信介元首相、兄に日米同盟を強化した安倍晋三前首相を持つ大物防衛相だけある。
中国の習近平国家主席は、今世紀半ばまでに中国軍を「世界一流の軍隊」にすると公言している。今月の全国人民代表大会(全人代)では、前年比6・8%増となる1兆3553億元(約22兆6200億円)もの国防予算案が提出され、インド太平洋地域での覇権拡大を加速させている。