「もうここはサルの集落みたいな所。(出没は)何も珍しいことではない。さっきもすぐそこに群れがいた」と、住民が指さすのは大豆畑。畑は元は水田で、大豆は転作作物として栽培されているものだ。
北秋田市綴子(つづれこ)地区の合地集落で、サルの群れが出没したと聞き、国道7号から車で約5分の山あいの合地や、その先の大畑▽塚ノ岱(たい)▽岩谷――の4集落を巡った。1本の道路沿いに点在する民家と水田、そして畑。訪れたのは合地で発見された3日後の3月26日だった。
岩谷と塚ノ岱の2集落の周辺は何年も前からサルが目立ち、連日のように目撃情報が絶えない。大豆畑に落ちた実や、季節の畑作物はサルの格好のエサになる。サルを近づけないための爆竹にも慣れた様子で、平然とするサルの群れに住民も頭を抱えている。
今年はさらに南下し、これまであまり見かけなかった大畑、合地の2集落で確認され、その数ざっと40匹。塚ノ岱の佐藤継雄さん(84)は「サルが出てもここ止まりだったのに」。大畑の小笠原重信さん(77)は「(3月)18日に民家の周りを10匹ぐらいうろうろしていた」と警戒する。
市農林課や住民らによると、サルは出没集落からほど近い白神山地や田代岳から下りてきているらしく、住民に注意を促している。
「いつもと違うのは、猫のような大きさの子ザルが目立つ」。さらに繁殖し、農作物への被害の拡大を懸念している。見守りをする市の担当職員らは気の休まる時がない日々が続く。【田村彦志】