「『週刊新潮』の早刷りが宮内記者会に出回ってすぐ、記者会の幹事社主催で臨時の“記者クラブ総会”が開かれました。『前例のない由々しき事態が発生したので、しかるべき対処を』と幹事社から伝えられましたが、正直眞子さまの結婚問題がヒートアップしてからは、こうした情報漏洩が続いている。またかと思いましたよ」
こう嘆くのは宮内庁担当ベテラン記者だ。いま、宮内庁や記者会は眞子さまの結婚問題をめぐる、相次ぐ“情報漏洩”に頭を悩ませているという。
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新型コロナウイルスの影響により2カ月余り延期になっていた宮中行事「歌会始の儀(うたかいはじめのぎ)」が3月26日に行われた。「歌会始」は毎年1月、天皇の主催で行われる新春恒例の行事で、皇后や秋篠宮ご夫妻をはじめとする皇族方や、入選者、選者らが「松の間」に参集。入選者、選者、皇族、天皇の順に歌が詠まれる。
今年も全国から寄せられた1万3千首を超える歌の中から選ばれた10人の歌が古式にのっとって披露された。会場となった皇居・宮殿「松の間」では感染症対策のため、出席者は全員マスクを着用し、詠み上げ役はフェイスシールドをつけ、席にアクリル板が設置された状態で臨んだ。
今年のお題は「実」。天皇皇后は新型コロナウイルス感染拡大が収まることを願う歌を詠み、新年の宮中行事の最後を締めくくる儀式は滞りなく終了した。
しかし、歌会始の儀の前日に“事件”は起きていたのだ。
「誰が漏洩させたんだ!」宮内記者会騒然
皇室ジャーナリストが語る。
「3月25日発売の『週刊新潮』に歌会始の儀でお披露目になるはずの眞子さまのお歌『烏瓜(からすうり)その実は冴ゆる朱の色に染まりてゆけり深まる秋に』が儀式に先んじて掲載されてしまったのです。同記事では、この歌が秋篠宮殿下への反逆で、小室圭さんに宛てた『恋文』という風に解釈できると紹介されていました」
前出・宮内庁担当記者が困惑した顔で打ち明ける。
「『週刊新潮』の早刷りが発売日前日の24日水曜日のお昼ごろに出回り、宮内庁担当の記者たちは騒然。こういうことが起きると、『誰が漏洩させたんだ!』と記者会の中で“犯人探し”が始まります。天皇陛下や秋篠宮さまの会見内容が事前に週刊誌に掲載されたことは今までもありました。ところが、今回は、他ならぬお歌ですからね」
宮内庁担当記者は「ありえないことが起きた」
宮内庁OBで皇室ジャーナリストの山下晋司氏が解説する。
「記者会見の内容が漏洩するのとお歌そのものが漏洩するのとでは重みが違います。お歌は1つの作品であり、天皇陛下の御前で初めて披講(または発表)されるものです。歌会始には一般の人から選出された預選者10名も出席しますが、事前にお歌の内容を漏らしてはいけないことが要項に明記されています。もし事前に発表してしまうようなことがあれば失格になります。儀式で初めてお歌が披露されることに意味があるのです」
宮内記者会(宮内庁担当の記者クラブ)は皇居内にある宮内庁庁舎の2階に記者室があり、新聞・通信局、テレビ局の15社20数名が常駐している。月に2回行われる長官会見に加え、毎週行われる次長と侍従次長、皇嗣職大夫の定例会見には記者たちが出席し、天皇、皇后や皇族の予定の発表などが行われる。皇室関連行事がある際には取材に関するレクチャーも行われる。
今回の歌会始の儀に関しても、天皇や皇族が披露する歌とその歌が詠まれた背景説明を記したペーパーが1週間前に配られていた。前出・宮内庁担当記者が続ける。
「新潮の早刷りが出回ってすぐに、記者クラブの“総会”が開かれました。皇族が披露する歌とその背景が書かれたペーパーをどう扱っていたか、各社が調査して幹事社に報告することになりました。『ありえないことが起きた』という認識です」
今回、あらぬ形で波紋を広げてしまった眞子さまのお歌。事前にお歌を公表し「眞子さまの歌は小室圭さんへの恋文だ」と紹介した「週刊新潮」に対して、2018年から皇室の和歌を指導する御用掛を務め、歌会始の儀の歌の選者も務める篠弘氏は「新潮報道は不適切なもの」と語る。
私的心情を歌にする心配は眞子さまも…
「一首の歌から、作者のお気持ちを推し量るのは難しいことです。儀式の前に公表してしまうということもルール違反であり、極めて無作法な行いです。
眞子さまの『烏瓜』を題材にした歌は、珍しい素材を生かした発見に富んだ歌でした。紅の色が深まっていくという描写力に優れていたので、これはいいなと、表現力の深まりを評価して、選んだのです。私的な心情を歌にすることは、世の中に様々な心配を引き起こすことになることは眞子さまご自身も熟知していらっしゃいます。その点も十分に考慮したうえで発表されたと判断しました。
眞子さまと佳子さまはおふたりで一緒に歌を作っていらっしゃるようです。おそらく同じ時間に同じ部屋で頑張って作っていらっしゃるのではないでしょうか。徐々にレベルアップされ、初歩の段階を抜けてご自分の心情を歌を通して出せることを期待いたしております」
実は眞子さまの結婚問題に関する “情報漏洩”は今回が初めてではない。昨年、秋篠宮の誕生日記者会見でも、事前にその内容が「週刊女性PRIME」で明らかになった。
皇族の誕生日に際した記者会見の模様は誕生日当日の0時に報道解禁となるが、会見自体はその約1週間前に行われるのが通例だ。秋篠宮の誕生日会見は2020年11月30日の10日前の20日に行われたが、その日のうちに「週刊女性PRIME」に「眞子さま『強行除籍』の可能性も!秋篠宮さま、会見で『結婚と婚約は別』とご発言」という記事が掲載された。
記事には宮内庁関係者の証言などがこう記されていた。
〈会見に参加したのは、宮内記者会に加盟するテレビや新聞のみ。この“事前”記者会見の詳細は30日に正式に報じられるのだが、それに先立って『週刊女性』は秋篠宮さまの発言内容を入手した〉
〈秋篠宮さまはハッキリと“結婚することを認める”と述べられたそうです。殿下が公の場で、眞子さまのご結婚を容認されたのは初めてのことです〉
〈今回の会見では“お気持ちを尊重とは具体的にどういった意味なのか”という質問が投げかけられたのですが、殿下は“親としてはふたりの結婚の意思を尊重する”とのご発言があったそうです。(中略)ただ、その後に“結婚と婚約は別問題である”ことも強調されたのです〉
秋篠宮は「いや、それはないでしょう」ときっぱり
次の“流出事件”は、「週刊朝日」(2020年12月18日号)に掲載された皇室ジャーナリストの友納尚子氏による「雅子さまと愛子さまの絆」という記事だ。11月20日の秋篠宮の誕生日会見の後に行われた、秋篠宮とのオフレコ懇談会での様子が掲載された。
〈記者が、高円宮家の三女守谷絢子さんの夫、慧さんが新嘗祭に出席されたことについて、秋篠宮に質問すると、「彼はとても熱心ですからね」と述べられたという。すかさず記者が、「来年はもう一人の圭さんもご一緒になりますね」と探りを入れた。秋篠宮は「いや、それはないでしょう」ときっぱり話された。そのご様子を紀子妃は、実に複雑なご表情でご覧になっていたという〉
皇室ジャーナリストが解説する。
「オフレコ懇談会の内容はいわずもがなですが、そもそも皇族と宮内記者との間で、オフレコ懇談会なるものが持たれているということ自体、明らかにしてはならないというルールが宮内記者会と宮内庁の間にあるのです。過去には雑誌の対談企画でオフレコ懇談会があることを実名で話した記者がペナルティを受け、クラブを“出禁”になったこともあります」
さらには、今年2月19日に行われた天皇の誕生日に際した記者会見についても、天皇誕生日である2月23日の3日前の20日に、〈独自に入手した〉として、「週刊女性PRIME」に会見内容が掲載された。この会見については、記者会が宮内庁に事前に提出する質問事項に、眞子さまの結婚問題に関するものが含まれていたことから、天皇がどのように答えるのか注目が集まっていた。同サイトはフライングでこう報じた。
〈陛下は“国民の間でさまざまな意見があることは承知している”と前置きした後、秋篠宮さまが再三おっしゃられているように“多くの人が納得し喜んでくれる状況になることを願っている”といった主旨のおことばを述べられました。ということは、秋篠宮さまが認められるのであれば、眞子さまと小室さんのご結婚を“認める”という意味合いだと、その場にいた記者や関係者たちは理解したのです〉
このように昨秋以降、眞子さまの結婚問題に関連する行事や会見に関して「取材合戦」が激化している。前出・山下氏はこの状況について「今回の件も含め、“ご結婚問題”が長引いていることで、眞子内親王殿下の一挙一動に注目が集まっていることの裏返しとも言えるでしょう」と解説する。
今年の7月には、ニューヨーク州の司法試験が行われ、その結果次第では小室圭さんは帰国するのではないかと言われている。いまだ平行線をたどる結婚問題。眞子さまの思いが実る日は来るのだろうか。
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))