冬眠明けのクマに注意! 山菜採りや渓流釣り、対策呼びかけ

山形県内では、山菜採りや渓流釣りのシーズンを迎え、冬眠明けのツキノワグマとの遭遇の危険性が高まることから、県や山形市などが注意を呼びかけている。2020年5月に長井市で男性が襲われて軽いけがをし、16年4月には、西川町で渓流釣りの男性が襲われている。今月27日、県庁でクマの対策会議が開かれ、注意事項などが確認された。【野呂賢治】
県によると、県内では、ツキノワグマによる人身被害が20年度5件(5人)▽19年度4件(4人)▽18年度1件(1人)▽17年度4件(4人)――と毎年発生している。
雪が溶けたこの季節は山菜採りや、登山などの行楽で山に入る人も増え、クマと遭遇する危険性が高まるといい、今年も4月18日までに11件の目撃情報が寄せられている。
一般には、秋の目撃事例が多いが、1977~2020年の5~7月をみると、クマによる人身被害が26件発生。内訳をみると、山菜採り18件▽タケノコ・ササ採り3件(うち1件は死亡)▽渓流釣り1件▽田の見回り中1件▽森林作業中1件▽自宅への侵入1件▽散歩中1件――。
会議では、今年の目撃情報のほか、市街地にクマが出没した際の対応マニュアル、人家に近い場所にやぶを作らないなどの予防的対策を確認した。
県は、注意すべき点として、行き慣れた山でも周囲に十分に注意する▽ラジオやクマ鈴、笛など音の出るもので人の存在を知らせる▽食べ残しやゴミを山に残さない▽子連れのクマに注意する――などの5項目を挙げている。県の担当者は「大型連休が始まるが、今一度、山に入る際はクマに注意してもらいたい」と話している。