気象庁「津波はギリギリ起きなかった」…3月の余震か

宮城県沖で発生したマグニチュード6・8の地震は、東日本大震災と同様に陸側のプレート(岩板)と、その下に沈み込む海側のプレートとの境界部が震源となった。津波は確認されなかったが、気象庁の束田進也・地震津波監視課長は1日の記者会見で「地震規模からすると、津波は恐らくギリギリ起きなかった。震源が深かったこともある」と述べた。
周辺では3月20日にも約40キロ・メートル北の海域でM6・9の地震(最大震度5強)が発生するなど、強い揺れを伴う地震が相次いでいる。
東京大地震研究所の古村孝志教授(地震学)によると、宮城県沖ではもともとM7以上の地震の発生が想定されており、「今回は想定震源域の中ほどで起きた地震で、3月の余震とみることもできる」と分析。震災以降、地震が活発な状態が続いているとし、「津波を伴う大規模地震が今後起きる恐れもある」と警戒する。
東北大の遠田晋次教授(地震学)は「震源が陸域に近かったため沿岸部を中心に強い揺れに見舞われた」と指摘。「繰り返される強い揺れで、建物が少しずつダメージを受けている恐れもある。もう一度、身の回りの地震対策に注意を払ってほしい」と呼びかける。