大量の災害ごみ、住民悩ます 仮置き場に続々 台風15号

台風15号が直撃した千葉県の被災地で、強風で飛ばされた瓦や雨でぬれた家具など大量の「災害ごみ」が、住民を悩ませている。各市町は仮置き場を設けているが、想定を超えた量のためゴミの受け入れを一時中止したり、遠くに住む住民が近所の空き地などに積み上げたりするケースも。各市町や県の担当者も、「どれだけの量になるか見通しがつかない」と頭を抱えている。
割れた瓦やトタン屋根の破片、雨水を吸った畳や壊れた冷蔵庫や洗濯機などの家電製品-。台風上陸後、2度目の3連休初日となった21日も同県鋸南(きょなん)町の保健福祉総合センター「すこやか」の仮置き場には、住民が車でひっきりなしに災害ごみを搬入していた。
軽トラックで割れたトタン屋根の一部などを運んできた同町の教員、保泉文昭さん(58)は、「毎日片付けをやっている。瓦が飛んだ屋根はブルーシートをかけて業者の修繕待ち」と額の汗をぬぐう。
県によると、20日午後5時時点で、県南部や東部の21市町の32カ所に仮置き場がある。同町内にも15日から2カ所の仮置き場が設けられているが、空き地や路肩には、住民が一時的に災害ごみを置いている場所がいくつも見られた。
自宅前で後片付けしていた無職女性(75)は「においも出てくるけど、量も多いし、車がないと持っていけない。収集してくれたら…」と話す。
また、九十九里町では、10日に設置した仮置き場に想定以上の災害ごみが搬入され、16日に一旦受け入れを休止。21日になり、23日までの日程で受け入れを再開した。