自民総裁任期残り半年、「ポスト菅」有力候補見当たらず…コロナ次第で「菅離れ」も

菅首相の9月末までの自民党総裁任期が、残り半年を切った。次期総裁選に向け、二階幹事長が首相の再選支持を早々に打ち出すなど、党内の動きが徐々に活発化している。現時点で首相を脅かす「ポスト菅」の有力候補は見当たらないが、新型コロナウイルス対応などで政権運営に失策があれば「菅離れ」が進み、波乱となる可能性もある。

「安定的によくやっている。文句をつけるところはありません」
二階氏は4日放送のBSテレ東の番組で、首相をこう評価した。二階氏はすでに3月29日の記者会見で、首相の再選を「全面的に支援する」と明言した。二階氏率いる二階派(47人)は昨年9月の総裁選でいち早く支持表明し、党内5派閥が首相を支援する流れを作っただけに、二階氏の発言は注目されている。
過去の総裁選で、現職首相が出馬した場合は圧倒的な強さを見せた。敗北したのは1978年の福田赳夫氏だけだ。首相が握る衆院解散権も大きな武器となる。党幹部は「総裁任期満了より前に解散し、衆院選に勝利すれば再選確実だ」と話す。

だが、政府の新型コロナ対応などを巡って国民の批判が高まれば、「菅首相では衆院選を戦えない」として交代論が広がるリスクがある。解散の機会を逸することにもなりかねない。
首相の総裁選後の続投を支持する世論が高まらないことも、懸念材料だ。読売新聞社の全国世論調査(2~4日実施)で「どのくらい首相を続けてほしいと思うか」を聞くと、「すぐに交代してほしい」と「9月の総裁任期まで」を合わせた回答が59%に上った。

ただ、党内では「現時点で首相に代わる有力候補はいない」との見方が大勢だ。
昨年9月の前回総裁選で2位だった岸田文雄・前政調会長は「チャンスがあれば挑戦したい」と再出馬に意欲を示すが、総裁選後に無役となって以降、存在感を示せていない。岸田派(47人)内では「今のままでは勝機はない」(中堅)との悲観論が漂う。
前回3位の石破茂・元幹事長は態度を明確にしていない。昨年10月に総裁選大敗の責任を取って石破派会長を辞任後、同派は退会者が相次ぎ、17人になった。派内で主戦論はほとんど聞かれない。
一方、麻生派(53人)の河野行政・規制改革相は、3月の読売新聞社の全国世論調査で、次の首相にふさわしい自民党政治家として26%の1位だった。とはいえ、新型コロナのワクチン担当閣僚も務めるだけに、「菅政権が倒れれば

一蓮托生
( いちれんたくしょう ) だ」(閣僚経験者)と見る向きが多い。
人気の高い小泉環境相(無派閥)も、首相を支える閣僚の一人として、河野氏と同様の難しさを抱える。野田聖子幹事長代行(無派閥)も出馬に意欲を示すが、立候補に必要な20人の推薦人確保が課題だ。