元郵便局長が架空の預金勧誘、10億円詐取か…日本郵便が被害全額を弁償

日本郵便は6日、長崎住吉郵便局(長崎市)の元局長の60歳代の男性が、約50人の顧客らに架空の貯金の勧誘をして、約10億円をだまし取った疑いがあると発表した。元局長は調査で不正を認めているといい、同社は被害にあった人に個別に連絡を取って謝罪するとともに、被害全額を弁償すると説明した。長崎県警も情報を把握しており、関係者から事情を聞くなどして捜査している。
発表によると、元局長は同郵便局で局長として勤務していた1996年から今年1月までの約25年間、顧客や知人に対し、「利率の良い特別の貯金がある」などと勧誘し、金を詐取した疑いがある。取り扱いが廃止された証書を渡すなどして、信じ込ませていたという。
元局長は2019年に定年退職したが、その後も勧誘を継続。今年1月、出資者の一人が「元局長に貯金の解約を申し出たが応じてくれない」とゆうちょ銀行に相談に来て、問題が発覚した。日本郵便の調査に対し、元局長は「金は遊興費や先に資金を募った人への返済に充てた。金額は覚えていない」と説明しているという。
元局長が同郵便局に勤務していた23年間は局長の立場にあった。退職後の20年には日本郵便に「元局長に渡したお金が戻ってこない」などと元局長の不正に関する情報提供があった。だが、提供者が聞き取りを拒否したことなどで詳しい調査ができなかったという。日本郵便は「不正に気づけなかった」としている。
東京都内で6日、記者会見を開いた日本郵便の根岸一行常務執行役員は「被害に遭われた方に多大なる迷惑をおかけしました。本当に申し訳ありません」と謝罪した。