トカラ列島・十島で地震相次ぐ 専門家「大きな地震含め警戒を」

鹿児島県南方のトカラ列島の十島(としま)村で、地震が相次いでいる。気象庁は9日午後11時から12日午後3時までに、震度4の揺れを4回、震度3を15回など、震度1以上を213回観測した。トカラ列島近海では、過去の群発地震で震度5強の揺れもあり、仲谷幸浩・鹿児島大特任助教(海域地震学)は「より大きな地震も含めて警戒が必要だ」と注意を呼びかける。
気象庁によると、悪石(あくせき)島(十島村)では震度4の揺れを4回、悪石島と小宝島(同)で震度3の揺れを計15回観測した。地震の規模を示すマグニチュード(M)は最大5・2だった。12日も午後3時までに震度1~3の地震が25回あった。悪石島には78人、小宝島には68人住んでいるが、けが人などはいないという。
トカラ列島では、2000年にもまとまった地震が起き、悪石島では10月2日に震度5強を1回、5弱を2回観測した。11年も一時期、震度1~3の地震が多発した。
トカラ列島は大陸側のユーラシアプレート上にあり、その下に太平洋側のフィリピン海プレートが地中深く潜り込んでいる。今回の群発地震が起きている所の深さ70~80キロ辺りに両プレートの境界がある。一方、今回の震源の深さは10~20キロとみられている。こうした状況などから、仲谷氏は両プレートの境界ではなくユーラシアプレートの内部で起きた横ずれ断層型とみる。
悪石島と小宝島の間には、「トカラギャップ」と呼ばれる海底のくぼ地が東西に延びている。トカラギャップを境に、南北で地層が不連続な状態になっており、境界周辺で横ずれ断層型の地震が起きやすい。仲谷氏は「今回地震が多発している原因は断定できないが、トカラギャップの構造が影響している可能性も考えられる」と話す。
トカラ列島には活火山で現在噴火警戒レベル2(火口周辺規制)となっている諏訪之瀬(すわのせ)島があるが、仲谷氏は「距離が離れているので関連はないのではないか」とみている。
十島村役場悪石島出張所の神田美穂所長は「今のところ被害の報告は受けていないが、いつまで続くのか不安だ。早く元通りになることを願っている」と話した。【信田真由美】