東京電力福島第一原子力発電所の敷地内にたまる「処理水」の海洋放出について、福島県の内堀雅雄知事は15日、梶山経済産業相に対し、放射性物質の確実な浄化処理や正確な情報発信、万全な風評対策の実施などを行うよう申し入れた。
梶山経産相は風評被害が生じた場合の賠償のあり方に言及。期間、地域、業種を画一的に限定せず、立証の責任を被害者に一方的に負わせないように東電を指導すると述べた。漁業者へ適切な賠償を実現する特別チームを省内で組織するよう指示したと明らかにした。
内堀知事は冒頭、海洋放出による新たな風評発生への懸念と、処理水を処分して廃炉を安全に進めなければならないというジレンマを福島県が抱えていると説明。「県民が10年にわたり積み重ねてきた復興や風評
払拭
( ふっしょく ) の結果が水泡に帰す懸念がある」などと訴えた。
海洋放出に反発する農林水産業や観光業の関係者らの理解が深まるよう丁寧な説明を行い、水産物が全量、適切な価格で取引される仕組みを構築してほしいと要請した。
政府は13日、処理水を大量の海水で薄め、放射性物質トリチウムの濃度を国際基準よりもさらに引き下げて海洋放出する方針を決定。16日に、着実な実行に向けた関係閣僚会議を開催する。
東京電力は2年後の2023年をめどに放出を開始し、期間は30年以上に及ぶ見通し。