文楽人形遣いで人間国宝、吉田簑助さん引退へ

人形浄瑠璃文楽の人形遣いで人間国宝、文化功労者の吉田簑助(みのすけ)さん(87)が文楽4月公演(大阪・国立文楽劇場)千秋楽の25日を最後に引退すると、文楽協会などが15日、発表した。8月に88歳を迎えるにあたり全身全霊で舞台に打ち込めるのも今月限りと本人が決断した。最後の役は「国性爺合戦(こくせんやかっせん)」の錦祥女(きんしょうじょ)。引退興行などは行わない。
簑助さんは大阪生まれ。昭和15年、三代目吉田文五郎に入門、二代目桐竹紋十郎門下となり、36年に三代目吉田簑助を襲名。女方(おんながた)遣いの第一人者として「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」の八重垣(やえがき)姫、「曽根崎心中」のお初など華やかな遣いぶりで一世を風靡(ふうび)。平成10年、脳出血で倒れたがリハビリを乗り越え、11年に舞台復帰した。
簑助さんは「復帰してから22年、体調が思うにまかせないこともありましたが、曽根崎のお初も八重垣姫も静御前も再び遣うことができ、人形遣いとして持てる力のすべてを出し尽くしました」とするコメントを発表した。