長崎県警佐世保署が今年1月、夫(37)から家庭内暴力(DV)を受けたとして避難していた女性の居場所を、誤って夫の親族に伝えていたことが捜査関係者への取材で判明した。女性はDV防止法に基づき、居場所を秘匿する援助対象者として登録されていた。県警は取材に対し事実関係を明らかにしていない。
捜査関係者によると、女性は医師の夫と福岡県内に住んでいた2020年12月、福岡県警に「夫から暴力を受けている」と相談。そのまま県外に避難したため、福岡県警は避難先を管轄する長崎県警と情報を共有した。しかし今年1月、佐世保署が「女性の安否を確認したい」と問い合わせた夫の親族に対し、誤って避難先を説明。女性は避難先を変えなければならなくなったという。
夫は今月14日、この女性への傷害容疑で福岡県警に逮捕された。逮捕容疑は20年12月8日、当時住んでいた福岡市西区の自宅で女性を投げ倒したり、顔を壁に打ち付けたりして、顔や頭に打撲などの軽傷を負わせたとしている。女性は県警に対し、結婚した約2年前からDVやモラルハラスメントを受けていたと説明。夫は「弁護士に話すまでしゃべらない」と認否を保留しているという。
長崎県警は取材に対し「個別案件については回答できない。事案の有無も答えられない」としている。01年に施行されたDV防止法は被害者に関わる関係者に対し、被害者の安全確保と秘密保持に十分配慮するよう規定している。【佐藤緑平】