【独自】5歳餓死、痩せてたのに「先入観あった」…身長体重など確認するチェックリスト導入へ

福岡県

篠栗
( ささぐり ) 町で5歳の

碇翔士郎
( いかりしょうじろう ) ちゃんが餓死した事件を受けて、県は再発防止策として、子どもの安全を確認する際に使用するチェックリストを新たに導入した。県内の市町村と所管する児童相談所で活用し、虐待の兆候を早期につかむ。月内には事件当時の対応を検証する会合も開催する。翔士郎ちゃんが死亡して18日で1年。なぜ幼い命を救えなかったのか。検証と対策が本格化する。(村上喬亮、那須大暉)
「生活が苦しい家庭だった。子どもは痩せていてもおかしくないという先入観があり、体重などの客観的な指標で調査する姿勢を欠き、虐待に気付けなかった」。福岡県の関係者はそう悔やむ。児相職員は増員してきたが、適切にリスク判断ができなかったことが課題として突きつけられたと感じている。
今回の事件で児相は、翔士郎ちゃんが痩せていることを把握しながら体重測定をせず、母親と面会できないまま「虐待リスクが低い」と判断したなどとして、対応が問題視されている。
県が今月導入したのは、「安全確認チェックリスト」。「身長体重が標準から大きく外れている」「調査を拒否する」など約40項目について、保護者らからの聞き取りなどを通じて該当するか見極め、虐待を早期に発見する。記入の際には、児相や市町村の職員が必ず保護者と面談。体重測定を必須とし、児相職員は体重計を持って家庭訪問する。
県の担当者は「児相職員の経験値や市町村の態勢にばらつきがあった。共通の指標で情報共有し、虐待の見逃しを防ぎたい」とする。
県はさらに、実際に虐待が疑われるケースで対応を決めるために活用してきた「緊急度アセスメントシート」と呼ばれるチャートの項目を拡充。特に外見からは判断が難しいネグレクト(育児放棄)に焦点を当て、「脱水、栄養不足による衰弱がある」「ライフラインが止まっている」などの項目を設け、当てはまるときは一時保護や集中的な支援を行う。シートは市町村も使用を始める。