厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会は21日、関節リウマチの治療薬「オルミエント」について、新型コロナウイルス感染症による肺炎の治療薬として使用できるように適応を拡大することを了承した。近く厚労省が承認する。国内3番目の新型コロナ治療薬となる。
オルミエントは炎症を抑える働きがあり、新型コロナ治療では、中等症・重症の患者に抗ウイルス薬「レムデシビル」と併用する。日本イーライリリー(神戸市)が製造販売する。
米国立アレルギー感染症研究所が、米国や日本など8か国で国際共同治験を実施。レムデシビルだけを投与した重症患者のグループは投与開始から回復まで18日だったが、オルミエントと併用したグループは10日に短縮された。また、投与開始から28日が経過した時点の死亡率は、レムデシビルだけのグループは7・8%だったのに対し、併用したグループは5・1%と3割以上低かった。
こうした結果から、米国では昨年11月、緊急使用許可が出た。日本でも同年12月、承認申請が出されていた。国が新型コロナの「診療の手引き」に記載している承認薬は、レムデシビルと抗炎症薬「デキサメタゾン」の二つがある。