大分県警は23日、11日に投開票された佐伯(さいき)市長選の告示前に市職員に特定候補への投票や集票を依頼したとして、副市長の菅隆久(かんたかひさ)容疑者(61)=佐伯市戸穴=を公職選挙法違反(公務員の地位利用、事前運動)容疑で逮捕した。捜査関係者によると、容疑を認めているという。
逮捕容疑は、市長選告示前の3月中旬、特定候補を当選させるために職務上の地位を利用し、市役所内で職員に投票や票のとりまとめなどを依頼したとしている。市長選には4人が立候補し、現職の田中利明氏が再選を果たした。
市などによると、菅容疑者は元市職員。商工振興課長や上浦振興局長などを経て、2019年に副市長になった。
県警は23日、市役所内を捜索して資料などを押収。記者会見を開いた田中市長は「市民の皆様に心配をかけて申し訳なく思っている」と謝罪したうえで、関与については「私は知らない」と否定した。【辻本知大、河慧琳】