「緊急事態」発令前 最後の休日 買い物客駆け込み

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う3度目の緊急事態宣言が発令される東京、大阪、兵庫、京都の4都府県は24日、発令前の最後の週末を迎えた。宣言に伴い、休業要請の対象となる商業施設や百貨店には、駆け込みで買い物に訪れる人の姿もみられた。
24日午前10時前、大阪市中央区の百貨店前で開店を待っていた同市鶴見区の保育士の女性(60)は、予約していた日傘を受け取りにきたという。大阪府は床面積千平方メートルを超える百貨店にも一部売り場を除いて休業を要請するが、宣言中に受取期限がくるため、「急いできた」と話す。
3度目の宣言発令について女性は、「大阪では感染者が千人を超えているので仕方がない。我慢して感染拡大をぐっと抑える必要がある」とあきらめ顔だ。人との接触を避けるために混雑を避けて買い物をし、公共交通機関の利用は控えているという。一方で「ずっと友人らに会えていないので寂しい。早く日常の生活を取り戻したい」と話した。
一方、大阪市西淀川区の会社員の男性(29)は「緊急事態宣言も3回目になって、効果も感じられないしみんなもう我慢できないと思う」といい、店が閉まらないうちにと妻とミナミに買い物に訪れた。「マスクをしたり消毒液を使ったりと対策は気をつけてきた。人が密集している店は避けたい」と話した。
一足早く24日から休園した天王寺動物園(大阪市天王寺区)には、休園を知らずにやってきた人の姿も。親子3人で訪れた同市天王寺区の会社員、大野雄太さん(35)は「閉まるのは明日からだと思っていた」とがっかりした様子。「公園で遊んでから帰ろうかな」と話した。
大阪府豊中市の男性会社員(46)は家族と一緒に同府吹田市の商業施設へ。大型連休に出かけるのは難しいと判断し、自宅でのキャンプを計画。屋外用のいすを買い足すつもりで「巣ごもりに備えるため、座り心地を確かめて選びたかった」と語った。
3人の子供とともにシネマコンプレックス(複合映画館)に映画を見に行くという同府吹田市の男性会社員(43)は「映画館は感染対策が取られているのであまり不安には感じていないが、映画が終わったら、すぐに帰ろうと思っている」と話した。