3度目の緊急事態宣言が25日に発令されたのに合わせ、東京都が発表した無観客開催要請リストを巡って波紋が広がっている。無観客要請の対象には劇場や野球場などに交じって、バッティングセンターやゴルフ練習場など“観客”の定義が曖昧な施設も含まれている。東京・浅草にある「浅草バッティングスタジアム」では「それぞれの読み解く力に委ねられている」とし、5人以上でのグループの来店を制限するなど、対応に苦慮している。
緊急事態宣言発令に伴うバッティングセンターなどに対する“無観客開催”要請について、東京都には26日、対象施設の区分けの曖昧さなどに関して朝から問い合わせ電話が殺到した。
都は25日から、国の方針に準じてイベントなどを開催する施設に対して「社会生活の維持に必要なものを除き、原則として無観客での開催」を要請している。対象には一般的に有観客で利用されることが想定されにくい施設も一部含まれている。
都担当者も区分けの曖昧さに「我々もどう理解してよいのか困惑した」と明かし、23日に政府側に確認したところ、バッティングセンターについては、「利用者の後方に数十人の観客がいるケースを想定し、密状態を避けるための措置」との説明があったという。宣言初日の25日から都民や事業者から説明を求める電話が相談窓口に殺到し、26日も朝から職員らが対応に追われる事態となった。