安倍晋三前首相側が主催した「桜を見る会」前夜祭を巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部は27日、同法違反(不記載)で罰金100万円の略式命令を受けた安倍氏の元公設第1秘書について、告発容疑の一部を再び不起訴(嫌疑不十分)とした。東京第5検察審査会が3月3日付で「不起訴不当」と議決したため、再捜査していた。
特捜部は昨年12月、政治団体「安倍晋三後援会」の代表などを務めた元秘書が2016~19年分の政治資金収支報告書に前夜祭に関する収支計約3022万円を記載しなかったと認定。一方、15年分は収支報告書の原本の保存期間(3年)が過ぎ、廃棄されていたことなどから不起訴とした。
同審査会は「写しで事実認定することができ、不起訴は納得できない」と指摘したが、特捜部は改めて「原本がなく、残っている写しも不完全で起訴できない」と判断したとみられる。