岐阜県各務原市は26日夜、新型コロナウイルスのワクチン接種で、接種間隔を誤るミスがあったと発表した。市内の高齢者施設に入所する女性(86)が、1度目の接種から3日後に2度目の接種を受けていた。女性が日課のひなたぼっこをしようと食堂に出てきた際、ワクチンの接種会場となっていた食堂で他の入所者らが並んでいるのを見かけて、誤って並んでしまったという。
接種ミスがあったのは、医療法人フェニックスグループ(長縄伸幸会長)が運営する各務原市須衛町3の高齢者施設「サンバレーかかみ野」。施設では4月21日から入所者とスタッフらを対象に数十人ずつの集団接種をしていたが、接種時に1人ずつ本人確認をしていなかった。
21日に1度目の接種を受けたこの女性は、24日にも列に並び、医師や看護師が気づかないまま2度目の接種を受けた後、施設スタッフが誤りに気付いた。26日に記者会見した各務原市の小鍋泰弘副市長は「本人と家族に心よりおわびする。今後は再発防止策を徹底する」と話した。厚生労働省は、米ファイザー社製のワクチンについて、接種の間隔を3週間程度空けることとしている。市によると、女性に健康被害は出ていない。【井上知大】