東京都は28日のモニタリング会議で、4月19~25日の1週間に都内で確認された新型コロナウイルス感染者の59・6%が、感染力が強いとされる変異株「N501Y」に感染していたと推計されることを明らかにした。この前週(4月12~18日)は32・8%で、急速に従来株や他の変異株からの置き換わりが進んでいる可能性があり、都は警戒を強めている。
都健康安全研究センターのスクリーニング(ふるい分け)検査を基に分析した。ウイルスの発生割合は、免疫やワクチンの効果の低下が懸念される「E484K」が前週の56・5%から27・9%に減り、「N501Y」が急増。従来株は約1割で変わりがなかった。
感染が爆発的に拡大しているインドで確認された変異株が都内で1人確認されたことも報告された。インドで猛威を振るう変異株は免疫能力への影響が懸念されている。この変異株には「L452R」という変異があり、都はスクリーニング検査で確認を進める。
一方、都内繁華街の夜間の人出(今月18~24日)は、1回目と2回目の緊急事態宣言でそれぞれ最少だった週の人出と比較すると、1回目の約3倍、2回目の約1・5倍となったことが判明した。小池百合子知事は28日の定例記者会見で「(人出が多い)状況が続くとゴールデンウイークを過ぎても感染者が増加し、感染爆発を迎えるかもしれない。回避するためには一気に人の流れを抑え込むことが不可欠だ」と強調した。【黒川晋史、斎川瞳】