JR九州は28日、鹿児島線の海老津(福岡県岡垣町)―東郷(同県宗像市)間で23日に発生した停電は、トンネル内の架線がカラスによってショートし、焼き切れたことが原因の可能性が高いと発表した。
同社によると23日午後0時40分ごろ、現場のトンネル(長さ約730メートル)の入り口付近で博多発大分行き特急ソニックの運転士が火花を確認。トンネルを通過して停車したが、車両の外側やトンネル内の送電設備が壊れた。火花が確認された場所の近くで架線が焼き切れた跡があり、特急の屋根で焦げたカラスが見つかった。
これらの状況から、トンネル内に入り込み架線に止まっていたカラスが、特急の接近で架線が揺れた際に壁面に接触してショートし、架線が焼き切れたと判断。さらに垂れ下がった架線が通過中の車両に引っかかり被害が拡大したと結論付けた。
停電で現場付近は約8時間40分にわたって不通となり、約5万人に影響した。JR九州は「極めてまれなケース。現場は機材が入りにくい場所で復旧に時間を要した」と説明、再発防止策を検討する。【久野洋】