東京都で新型コロナウイルスの感染が再拡大する兆しが出ている。感染者数の増加に先んじて増える傾向にある発熱相談件数が急増しているためだ。市中感染の広がりを示す陽性率も上昇傾向にある。いずれも年末年始の「第3波」の直前にもみられた現象で、都は警戒を強めている。
都によると、都発熱相談センターに寄せられた1日あたりの相談件数は、3月は1000件を下回る日が多かった。しかし5月に入ってからは連日2000件を超え、5日には2700件に達した。これは12月30日と同水準で、年明け以降は1日の新規感染者が2000人超となり、感染が急拡大していった。小池百合子知事は7日の記者会見で「予断を許さない状況だ」と語った。
4月はほぼ4~6%台で推移した陽性率は大型連休に入ると7%を超え、5月5日に9・2%にまで上昇した。連休中で検査数が減ったことが影響しているとみられるが、第3波でも同様に陽性率が上昇した後に感染者が増えていった。
感染力が強いとされる変異株「N501Y」の広がりも懸念される。都健康安全研究センターのスクリーニング(ふるい分け)検査の結果を基にした都の分析では、4月26日~5月2日の感染者全体の67・9%がN501Yに感染していたと推計される。国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は「変異株への置き換えが急速に進み、第3波を超える感染拡大が危惧される」と警戒感を示す。【古関俊樹、黒川晋史】