神奈川県は6日、新型コロナウイルス対策のまん延防止等重点措置について、適用期限を「11日まで」から「今月末まで」に延長するよう政府に要請した。東京、埼玉、千葉との4都県で足並みをそろえての対応だ。ゴールデンウィーク(GW)に観光客が詰めかけた湘南地域を中心に、対象地域の拡大も検討している。延長が決まれば、7日にも対策本部会議を開き、新たな対象地域を決定する。
県内では現在、横浜、川崎、相模原、鎌倉、厚木など9市に重点措置が適用されている。複数の関係者によると、県はこの9市に加え、横須賀、藤沢、茅ヶ崎、逗子、三浦、伊勢原、葉山、寒川の8市町を対象地域に加えることを検討している。延長・拡大が決まると、計17市町で、飲食店での時短営業や酒類の提供停止などが広がることになる。
横須賀市市長室の井上透室長は取材に対し、「本日(6日)、県から重点措置の対象地域拡大について意向確認の連絡があった。担当部署で市としての意見を調整中だ」と話した。
新たに対象となる公算が大きい藤沢市を巡っては、GW前の重点措置拡大の際には適用が見送られていた。県は「新規感染者数が多くはない」などと説明したが、江の島や大規模駅を抱える藤沢市には、県内外からの多くの人出が予想されただけに、「人流抑制」の方針と相反するとの疑問の声が上がっていた。
江の島や三浦半島の観光スポットは実際、観光客らで混雑しており、GW明けのこの段階で拡大する判断については、県の丁寧な説明が求められそうだ。
黒岩知事は6日の4都県知事のテレビ会議後、「(GW中の感染者は)激増はしなかったが、減る感じは見えてこなかった」としたうえで、「ここで(対策を)緩めてしまうと、また一気に感染爆発ということにもなりかねない。ここはしばらく、我慢をお願いしたい」と理解を求めた。
重点措置の期限については、感染状況を示す6指標がすべて「ステージ3(感染急増)」となっている現状から、「ステージ2(感染拡大)」まで減少傾向に転じ、4都県で同様の状況にそろった場合は、早めの解除もあり得るとの見解を示した。
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重点措置が延長・拡大される見通しとなり、「トンネルの出口」がまた遠ざかった飲食業界は行政への不満、不信感を募らせている。
横浜・野毛のバーの男性店長は「対策が中途半端。1、2月の暇な時期にロックダウン(都市封鎖)的に対応して、短期間で終わらせてほしかった。いまさらですね」とこぼす。11日まではソフトドリンクなどで対応するが、12日以降の酒類提供については改めて検討するといい、「ずっと我慢してきたが、言われるがままにやっていたら店がもたない」と語気を強めた。
GWに休業した鎌倉市の居酒屋の男性店主も「隣の藤沢市を重点措置の対象とするなら、GW前からそうしておけばよかった。不公平だ。休め休めと言うのに、いまだに協力金も振り込まれず、納得がいかない」と訴えた。