菅首相と面会した東大准教授とは? 米名門大、FRBのキャリア 新型コロナ感染者数推移と経済への影響を試算

菅義偉首相は先週末、東京大学大学院経済学研究科の仲田泰祐准教授らと公邸で面会した。仲田氏らは、新型コロナウイルスの緊急事態宣言の効果や、ワクチン接種の進捗(しんちょく)に応じた感染者数の推移、経済への影響などをシミュレーションしている。菅首相は「感染防止対策と社会経済活動の両立」を目指しているが、宣言解除をどう判断するのか。
仲田氏の専門はマクロ経済学。2003年にシカゴ大学経済学部を卒業後、カンザスシティー連邦準備銀行を経て、12年にニューヨーク大学で経済学博士号を取得した。その後、米連邦準備制度理事会(FRB)に所属し、18年までエコノミストとして勤めていた。
仲田氏と、東大の藤井大輔特任講師(経済学)らが、4月25日までのデータをもとにした試算は注目だ。
まず、東京都の新規感染者数が「7日間平均が500人」を下回った段階で緊急事態宣言を解除すると、人出の回復に伴い7月の第1週には新規感染者の7日間平均が1529人と2回目の宣言時の水準に到達し、12月ごろにも感染が拡大し、再宣言が必要な状態となった。
東京五輪の開会式は7月23日であり、この時点での解除は厳しそうだ。
7日間平均「250人」にまで解除基準を下げると再宣言は1度で済み、「100人」を切るまで宣言を延長した場合、7月第4週まで期間が及ぶが、再宣言は不要となった。
経済的損失を試算した結果は、3パターンの宣言解除基準のうち、新規感染者が100を切るまで宣言を延長したケースが最も損失が低かったという。
仲田氏は8日の菅首相との面会後、「緊急事態宣言の早期解除は、短期的には経済活動にとって良いが、感染が急増し再び宣言を出すことになると、中長期的には必ずしもそうではないとの分析を解説した」と、記者団に語った。