新型コロナウイルスワクチンを巡り、埼玉県寄居町は14日、町長をはじめ町職員約100人を「医療従事者等」と見なして接種を受けていたことを明らかにした。また加須市では、市長ら三役をキャンセル待ちの上位とし、接種を受けていた。
寄居町の花輪利一郎町長(76)は記者会見を開き、集団接種会場でサポートを行っている町職員約100人が、少なくとも1回の接種を済ませたことを明らかにした。花輪町長も4月18日と5月9日に車椅子の町民の介助などを行い、2回の接種を済ませたという。
花輪町長は「町内の医療従事者は限られている。7月末までに(高齢者の)接種を終えるには、1日約30人の町職員のサポートが必要。私自身も先頭に立って取り組んでいる」と理解を求めた。
町には疑問の声も寄せられているという。役場に来庁していた60代の女性は「町職員100人と聞いて、びっくりした。事前に説明があれば問題ないと思うが、釈然としない思いもある」と話した。
一方、加須市は14日、大橋良一市長(74)が一般高齢者向け集団接種初日の8日に接種を受けていたと明らかにした。総合政策部によると、市はキャンセルに伴う余剰ワクチンの取り扱いを検討。キャンセル分を①市三役②公立小中学校教員③集団接種会場の運営に当たる市職員――などの順で接種していく内規を定めた。
8日は180人に接種予定だったが、直前に3人のキャンセルが出て、市長ら三役が接種を受けた。担当者は「余剰ワクチンを無駄にしてはならないということで内規を定めた」と話している。
川口市の奥ノ木信夫市長(70)は一般高齢者向けの接種初日の11日に接種を受け、報道陣にも公開した。市の担当者は「接種促進のため、率先して受けてもらった」と説明。奥ノ木市長は「市内の高齢者ができるだけ多く、速やかに接種を受けるきっかけになればと思い受けた」とのコメントを出した。
県内の市町村を取材すると、首長は一般と同様に予約し、接種するとした自治体が大半だった。【中山信、隈元浩彦、鈴木篤志】