熊谷俊人知事は13日の定例記者会見で、県内の新型コロナウイルスの新規感染者に占める変異株の割合が、スクリーニング検査(3~9日)で71・8%(速報値)まで拡大したことを明らかにした。5月に確認された変異株感染者は13日時点で444人となり、既に4月の349人を大幅に上回っている。【富美月、石川勝義】
スクリーニング検査は県衛生研究所などで変異株確認のために行われ、新規感染者に対する実施率は37・3%(3~9日)。変異株の割合は3月29日~4月4日の週に5・4%だったが、その後は毎週上昇。熊谷知事は「本県でも従来株から変異株の置き換わりが進んでおり、危機感を強めている」と話した。
また、ワクチン接種を巡り、市町村が行う接種とは別に、厚生労働省が大規模接種会場の設置を積極的に検討するよう都道府県に要請したことについて、「あらゆる選択肢を検討している。県として集団接種を行うのも選択肢の一つには当然入ってくる」と述べた。
ただ、県が医療従事者を確保した場合、「市町村の接種に悪影響を与えては本末転倒だ」と指摘し、「メリット、デメリットをしっかり見極めた上で何が一番実効的に接種が進むのか考えていきたい」と話した。
国が行った高齢者向け接種を巡る全国調査で、県内の約3割にあたる18自治体が、政府が目標に掲げる「7月末までの完了」が困難と回答したことについて、熊谷知事は「あらゆる行政や医療資源を活用して1日でも早い接種を実現することが我々の仕事だと思っている」と述べ、医師や看護師の確保など自治体をバックアップしていく考えを示した。その上で「現段階では数値に意味はないと考えている」と話した。