東京オリンピックの開催まで残り70日を切ったが、新型コロナウイルスの感染拡大が一向に収まらないばかりか、2021年5月14日、新たに緊急事態宣言に北海道と岡山県、広島県が追加される事態となった。
そんななか、各地の知事たちに燎原の火のように反乱が広がっている。また政府の足元でも、「追認機関」だった分科会が初めて反旗を翻した。
いよいよ感染症の専門家たちも「良心」に従って、東京五輪に真正面から向き合うようになってくれたか。
政府の「追従機関」分科会がついに爆発した!
国内で中止を模索する政治の動きも進行している。毎日新聞(5月12日付)「二階、小池会談が波紋 五輪開催めぐり自民に広がる臆測」が政界の大立者、二階俊博・自民党幹事長と小池百合子都知事の密会について、こう推測している。
毎日新聞はこう続ける。
そんななか、これまで菅政権の新型コロナウイルス対策の「追従機関」と揶揄されてきた、政府の基本的対処方針分科会(尾身茂会長)が5月14日、反旗を翻した。
政府の諮問に初めて反対し、緊急事態宣言について、北海道、岡山、広島の3道県を追加させたのだ。これが、いかに異例で驚くべきことか、 政治評論家の田崎史郎氏が14日放送のTBS系「ひるおび!」で、こう解説したのだ。
そして、田崎氏が取材した内容をこう語った。
「最悪のことも考慮してやるのは当たり前」と尾身会長
その尾身茂会長、抑えが利かなくなった分科会の専門家たちの怒りを背に受けたのだろうか、その後の国会審議でこれまでにない激しい言葉で、事実上の東京五輪中止を訴えたのだった。
フジテレビ(5月14日)「尾身会長『最悪の状況も考慮』東京五輪・パラ開催判断」が、こう伝える。
「尾身会長は、東京五輪の開催の判断には、最悪の状況も考慮する必要があるとの考えを示した。尾身会長は『(五輪の開催時に)どういう負荷が医療にかかるのか、最悪のことも考慮してやるのは当たり前だと思います。仮に緊急事態宣言が出ている状況で東京大会を開催するとした場合、現在の大阪のように、一般医療に支障が出ている状況に、大会開催による医療への負荷が加わることになる。それがどのくらいなのかを評価する必要がある。関係者は、それらをふまえて最終的な判断を下すべきだ』とした」
ようやく政府のコロナ対策の専門家グループが、感染症の専門家の良心を取り戻し、忖度ナシで東京五輪と向き合う態勢ができたということか。遅すぎるが……。
(福田和郎)