病床使用率、20府県でステージ4 「患者数高止まりの影響」

新型コロナウイルスの感染は、政府が緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を講じるものの、全国的に拡大しており、病床の逼迫(ひっぱく)も深刻さを増している。厚生労働省の14日のまとめでは、直近1週間の10万人当たりの新規感染者数が、22都道府県で感染爆発を示すステージ4(25人以上)に該当。感染の「第4波」で東京、大阪など4都府県に宣言が出る前の4月23日の3倍近くにまで増えた。病床使用率も20府県がステージ4(50%以上)で、23日と比べて倍増している。
5月13日までの1週間の新規感染者数の増加が前週に比べて最も多かったのは北海道で、人口10万人当たり32人だった。次いで、福岡県(24人)▽岡山県(23人)▽広島県(同)――などで、16日に新たに宣言が適用された北海道、岡山、広島の3道県が顕著だ。また、福島県、岐阜県、香川県、佐賀県、宮崎県などがステージ4に該当し、地方でも感染の勢いが増している。
病床使用率が高くなると、本来治療が必要なコロナ患者を入院させて診ることが難しくなる。患者にとっては、症状が悪化しても治療を受けられないリスクが高くなるが、この病床使用率も高止まりしている。14日のまとめでは大阪府が最も深刻で、前週より0・7ポイント減ったものの82・5%だった。全国の自宅療養者数は3万4537人で、大阪府が1万5031人と4割超を占める。
感染症学が専門の吉田耕一郎近畿大教授によると、府内にある近大病院では、患者の入院調整をする府の入院フォローアップセンターから受け入れの依頼が相次ぎ、病床が埋まった状況が続いているという。吉田教授は「感染者数が高止まりした影響がまだ続いている」と話す。
全国的に感染拡大が収まらない背景には、従来株から感染力が強いとされる変異株への置き換わりがあるとみられる。吉田教授は「国民全員がパンデミック(世界的大流行)の当事者だと自覚することが重要だ。まちを歩けば新型コロナに感染している人がどこにでもいるかもしれない。外での社会活動が活発な人が少しでも抑制的になれるよう心に響くメッセージを政府は出してほしい」と話した。【中川友希】