「操作難しい」進展なく焦りも…大規模接種の高齢者予約

大阪に開設される高齢者向け新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターの予約受け付けが17日、始まった。大阪会場分は開始からわずか約25分で2万5千件が埋まり、インターネットに不慣れな高齢者からは「操作が難しい」との声も漏れた。
「予約の取り合いになってるんやろうか…」。大阪市福島区の無職、尾関(おぜき)保さん(78)が不安げな表情を浮かべた。
この日は午後1時の予約受け付け開始1時間前から、接種券を持って近くに住む長男(43)宅へ。パソコンとスマートフォンからサイトに接続し、予約に臨んだ。
《予約へ進む》。受け付け開始から5分後、画面上に新たな表示が浮かんだ。しかしその後、10分近く進展がない状況が続き、焦りが募った。
予約が確認できたのはスタートから約15分後。大阪市の接種予約は区役所に問い合わせても詳細が分からず、尾関さんは「予約が取れるかやきもきした。自衛隊の会場で早く打てるのはよかった」と安堵(あんど)した様子だった。
同市福島区のパート、木下悦子さん(69)も同居の長男(43)にパソコンから予約を取ってもらい、「ほっとした」と笑顔を見せた。スーパーのレジ係として働く木下さん。不特定多数の来店客やマスクをしない人に接客することもあり、「早めに接種しておきたかった」と話す。
ただ、西淀川区に住む木下さんの義兄(83)はスマホ操作に手間取る間に予約が埋まってしまったという。木下さんは「一人暮らしの高齢者には分かりにくく、助けが必要だと思う」と話した。