新規感染者数のカラクリ 約半数は2日前の数字、都道府県でルール異なる

〈東京都で新たに○○○人の感染確認〉、〈新型コロナ ○曜日としては過去最多〉──。在京キー局の番組では毎日15時過ぎにこのようなテロップが流れる。最近では東京だけでなく、感染者が急増する地域でも同様に速報されているが、週単位や月単位で見ていくと、曜日ごとに偏りがあることが分かる。
感染者数と曜日の関係について、素朴な疑問を解き明かしていく。
新規感染者数は「何日前」に検査した人の数字なのか
PCR検査の結果はすぐに反映されるわけではなく、タイムラグが生じる。各曜日で発表される人数は、いつ検査した人を集計しているのか。
東京都福祉保健局の担当者が解説する。
「検査を実施した日から都に発生届が提出されるまでは2~3日かかるケースが多い。たとえば“今日は600人”と発表されたとすると、そのうち『2日前』に検査を受けた人が4~5割で最も多く、『前日』と『3日前』に検査を受けた人はそれぞれ2~3割です」
つまり水曜日の発表であれば、約半数は月曜日に検査を受けた人になる。
「集計」「発表」ルールは都道府県ごとに異なるのか
東京都の新規感染者数は毎日15時に発表されるが、これは東京独自のルールだ。同様に感染者の「集計期間」も各都道府県によって異なる。
「東京都では、前日朝9時から当日朝9時までの24時間の発生届を取りまとめ15時に公表している」(東京都の担当者)
他県はどうか。大阪府・感染症対策企画課の担当者が語る。
「大阪府は、前日24時から当日0時までの24時間で把握した感染者数を、17時に公表しています」
福岡県は、「最近は当日の朝9時で締め切って、毎日18時に公表しています」(福岡県の担当者)。
北海道はその広さゆえか、「4つの大都市(札幌、旭川、小樽、函館)はそれぞれの市ごとに集計し、15時に速報を公表している。道の感染者数はそれら4市とほかの市町村の届け出を合計したものです」(北海道の担当者)。
※週刊ポスト2021年5月28日号