ニシキヘビ脱走劇いつまで 警察が捜索打ち切り 住民、募る不安

横浜市戸塚区名瀬町のアパートから体長3・5メートルのアミメニシキヘビが逃げてから半月が過ぎた。警察や消防などが捜索しているが行方は分からないままで、神奈川県警は21日に捜索を打ち切った。近隣住民を不安に陥れている大蛇の「脱走劇」は、いつまで続くのか。【牧野大輔】
発端は6日の夜だった。アパートに住んでいた20代の男性会社員から「ペットのニシキヘビがいなくなっていた」と戸塚署に通報があった。男性が外出した際にヘビを入れていた木製ケージから逃げ出したとみられ、ケージの鍵は壊された状態だった。窓が少し開いていたため、屋外に逃げた可能性もある。
そもそもアミメニシキヘビとはどんなヘビなのか。日本蛇族学術研究所(群馬県太田市藪塚町)によると、東南アジアなどの熱帯に生息するニシキヘビ科の一種で、暖かく湿った環境を好む。主に鳥類や哺乳類などの小動物をエサとするが、適した環境下であれば水分だけで2~3カ月は生きることができるという。
毒は持たないが、今回逃げたヘビには乳幼児や犬、猫に巻き付いて絞め殺す程度の力があるとみられ、体長6メートルを超えると大人でも危険という。人に危害を加える恐れがある「特定動物」に指定されており、飼育には許可や飼育条件を守る義務が生じる。動物愛護法の改正で、2020年6月からはペットとして新規に飼育することが禁止された。
同研究所の高木優研究員は「基本的にこちら側が何かしない限りは攻撃してこない。危険を避ける意味でも、草むらなどには入らないでほしい。もし見つけても決して近づかず、警察に通報してほしい」と話す。ヘビの“潜伏”場所については「5月の気温では動きが活発にならないため、恐らく半径100メートル圏内にいるのではないか。アパートの天井裏など、専門家がくまなくチェックする必要がある」と指摘する。
警察や消防、市動物愛護センターなどの捜索は6日から徐々に広がり、アパートの半径約300メートルに及んだ。近隣住宅の庭や雑木林、草むら、用水路などを調べた。好物とされるエサ用の冷凍のネズミをかごに入れておびき寄せる作戦を実施したり、週末には100人態勢で捜したが、発見には至っていない。
県警は21日に「2週間が過ぎたがヘビの痕跡が見当たらず、有力な目撃情報もない」として捜索を打ち切った。消防と市動物愛護センターは月末まで続ける方針を示している。
近隣住民の不安は募るばかりだ。自宅がアパートから徒歩10分という濱圭弥さん(26)は「小学校もあって子どもが多い地域なので、早急に見つかってほしい。忘れた頃に出てきてまたパニックになってしまうのも困る」。小学生の子どもがいる40代の主婦は「子どもたちには外で遊ばないように言っているが、いつまで気をつければいいのか」と不安そうに話す。
日本蛇族学術研究所が運営するジャパン・スネークセンターは、動画投稿サイト「ユーチューブ」の公式チャンネルやツイッターなどのSNS(ネット交流サービス)を通じてアミメニシキヘビの解説動画を公開している。