同じ日に2度ワクチン接種、本人確認や問診なし「必要という思いに至らず」

茨城県小美玉市は23日、高齢者施設に入所する男性(75)に対して同じ日に2回、新型コロナウイルスのワクチンを誤って接種したと発表した。男性は認知症だった。副反応などは確認されていないが、経過観察のために入院している。
男性は同市橋場美の介護老人保健施設「みのり苑」に入所していた。市と施設によると、21日午前9時半頃、接種会場の施設内食堂で1回目の接種を受け、午後2時50分頃にも受けた。
施設では、接種を午前と午後に分けていた。男性は午前の接種予定者だった。職員が午後の予定者を食堂に誘導した際、男性が紛れ込んでいることに気づかなかったという。
予定者全員の接種が終わった後、午後に接種を受けた人数より予診票が1人分少ないことが判明。接種時に腕をまくるなど介助を担当していた職員が、男性に2回付き添ったことを思い出し、誤接種が発覚した。
男性は認知症。日常的な会話はできるが、正確な意思表示が難しい時もあるという。体調に変化がないかを調べるため、22日から市内の病院に入院している。
施設では、入所者と職員の計約130人を対象に21、22日に1回目のワクチン接種を実施した。2回目は6月11、12日を予定している。男性については、感染を防ぐ抗体の有無などを検査し、再接種するかどうか判断するという。

本人確認や問診せず

施設は接種時、予診票との突き合わせといった本人確認や問診をしていなかった。担当者は「予定者が入所者と職員に限られており、必要だという思いに至らなかった。言い訳できないミスをした」と謝罪する。
ただ、接種では高齢者の付き添いや介助に携わる職員も必要だ。担当者は「本人確認の人手が足りない面もあった」と打ち明ける。
注射を打っていたのは医師1人で、食堂にいる高齢者を接種予定者だと思い込んでいた。21日だけで約100人に接種したという。
担当者は「接種前の本人確認と、接種会場への入場管理を徹底し、再発防止を図りたい」と話している。